【地山製作 (成功編)】

地山製作の続きです。

前回、失敗の原因は
  1)破砕帯用の砂と地山用粘土との収縮差
  2)砂の装填密度が高すぎた
  3)収縮の大きい細目の地山用粘土を使った
  4)底部を貼り付ける際に密着が不十分であった
  5)くり抜いた穴を囲む壁の厚さが均一でなかった
等でしたので、これらの点を改良して製作することにします。

@

 収縮対策として陶芸用粘土(粗目)を使用します。
 今回は、陶芸用粘土(粗目)が手元に無かったので、失敗作に水を加 えて粘土を再生させ、それに粒径0.1mm〜2.0mmの砂を混ぜて地山用粘土(粗目)にしました。

 再生粘土
菊練り で練ります。

 重量は 約5kgです。
 
A

 地山粘土(粗目)を練ったら成形します。
 成形までの工程は
地山製作 (失敗編)  の@〜Eと同じです 。

 成形時は5月でしたので、冷暗所にまる1日放置しました。
 夏場なら半〜1日、冬場なら2〜3日かかると思います。
B

 (失敗編) ではワイヤーで底部を12mmカットして、くり抜きを行いましたが、今回はカットしないでくり抜く事にしました。

 掘削方向を除く各面の壁厚は17.5mmに統一しました。
C

 開口部の寸法は85mm×60mmです。
 支持コンパネを付けたまま作業したので、くり抜き時に側壁が歪みません。
 天(写真では下方)に向かって側壁厚と天井厚が均一になる様くり抜いて行きます。 
D
 
 深さを確認しているところです。 
E

 断面が台形になっているので、くり抜き断面も台形になってます。
 天井部はアーチ形にしました。
F

 砂を詰める前に底蓋がはまる部分にドベを塗っておき、
 
予め調製しておいた砂を深さ17.5mmの高さ迄詰めます。

 圧力を掛け過ぎず、フカフカになり過ぎず、適度な空隙が出来る様にして詰めます。
 

 ※ドベ ・・・ ペースト状にした粘土 (陶芸用語)
G

 くり抜きで余った粘土を練り、ローラで板状に延して17.5mm厚にします。


H

 底蓋は開口寸法より約5mmほど大きめに切り出します。

I

 底蓋の接着面にもドベを塗ってから、はめ込みます。
 ところが、半分くらい入ったところで真ん中が膨れてしまい、それ以上入らなくなりました。

 中の空気が抜けない為ですが、はめ込みの密着性が良い事の証でもあります。
 真ん中に、釘で穴を開けたら膨らみが無くなり上手く行きました。
J

 ヘラやローラーを使って平らにします。

 ここで空気抜きの穴を塞ぐか否か迷ったのですが、取り敢えず残しておくことにしました。
 成形はこれで完了です。

K

 地山の成形はこれで完了です。

 あまり風通しの良くない、日陰でゆっくりと乾燥させます。
 地山の中の水は、左図の様に重力で接地方向へ移動しますから、ある程度乾燥する迄、1日に1回、天地をひっくり返しました。
L

 10日間でかなり縮みましたので、生乾きのうちに空気穴を塞ぎ、更に2週間程乾燥させた状態です。

 内部の状態は掘ってみないと判りませんが、 表面はカチカチに乾いていますので一応これで完成です。

 季節に依りますが、成形から乾燥完了まで約1ヶ月です。

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