【 粘土の再生 】

地山モデルの製作に失敗したした場合、水を加えて練り直せば粘土を再生する事ができます。
陶芸用粘土は乾燥するに従い収縮して密度が上がり、強度が増しますので、なるべく水分があるうちに処理した方が省力化できます。
とはいえ、大抵の場合ここの地山製作失敗例の様に、かなり乾燥が進んでしまってから割れ等を発症するので、ここでは乾燥固化した粘土の再生方法を簡単に紹介します。

乾燥粘土の吸水速度は粘土の粒子径に比例します。
ですから、失敗した地山塊を細かく割って比表面積を大きくすればする程、加水以降の処理時間を短縮出来る反面、粉砕に労力と時間を必要とします。
乾燥地山塊を仮に小麦粉レベルまで粉砕できれば、乾燥粉5Kgに水1.58kgを加え、15分も練れば、水分24%の粘土が再生できます。
一方、乾燥地山塊を全く粉砕せずに吸水させた場合は、乾燥塊5kgの復元に数週間掛かりますが、粉砕の労力は要りません。

<固化した粘土の再生方法 T−粉砕なし>
  @地山塊(5kg)をバケツに入れ、没するまで水を入れ数週間放置します。
   この様にすると界面の粘土はやがて崩落し、バケツの底に溜まっていきます。
   途中でかき混ぜを行うと崩落の進行が速まります。
  A数週間後、地山塊全体が崩れてバケツの底に沈殿し、水と泥漿に分離するので、上水を切ります。
  B更に数週間放置して、泥漿の水分を蒸発させます。
   途中でかき混ぜを行うと蒸発の進行が速まります。
  C適正水分になったところで練り上げて完成です。

<固化した粘土の再生方法 U−中粉砕>
  @地山塊をタガネ、ハンマーを用いて2cm程度の角礫状に割ります。
  Aバケツに角礫を入れて、その高さの3分の1位まで水を加え、角礫がまんべんなく濡れる様にかき混ぜます。
  Bかき混ぜを3〜4日繰り返すと、角礫の表面は崩れ、芯にまで水が浸透し柔らかくなります。
  C練り上げは、水分が不足気味なら手水を打ち、水分過多なら練り板に吸水させて調整します。

<固化した粘土の再生方法 V−細粉砕>
  @乳鉢等を用いて前述よりも更に細かく、米粒大から小豆大に割ります。
  A粉砕粒をバケツに入れ、手水を打ちながら片手で鷲掴みをする様にして練ります。
   鷲掴みをする手は粘土が纏わりつきますので、反対の手で水打ちとヘラで纏わりついた粘土の掻き落としをします。
  B全体が纏められる様になったら、練り板に移して練り上げます。

戻る

HOMEへ戻る