【隧道 三抗口掘削記】
トンネル内の分岐は都市トンネルでは珍しくありませんが、地方ではあまり見かけません。
管理人の体験ですが、長野県高遠の近くにある美和ダムへ行った時、ダム堰堤に続く隧道内で洞内分岐を見た記憶があります。ネットで調べてみると、洞内分岐はダムが絡むパターンが多いことが判りました。
関電トンネルも洞内分岐して黒部トンネルに接続されていましたが、両岸が狭く強固な岩盤といったダムの立地条件を考えれば当然の結果と云えます。
以上は別の土地へ人や物を運ぶ為に付けられた洞内分岐の例ですが、この他にも横抗、先進抗、試掘抗、バイパス化等で生じた工法上の、或いは運用上の洞内分岐例は多々有ることと思います。
また、非貫通が前提の
鉱山
では洞内分岐は当たり前、3次元迷路になっていて熟知した人と入らないと遭難する恐れがあります。
何れにしても、立ち入り制限がある一般人にとっては、やはり洞内分岐を目にする機会はあまり有りません。
前置きが長くなりましたが、ここでは断崖絶壁を降りる為に穿かれた素掘りのトンネルで、洞内分岐を持ち、片方は小さな桟橋へ通じ、もう片方は磯浜に通じている、そんなイメージのトンネルを掘ってみようと思います。
出来るだけノミ跡を残し、素掘りの感じを目指します。
@ 地山は釜トンで使用した物と同じ、陶芸用粘土(細目)です。 例によって各坑口に名前をつけました。 交差中心までの水平距離は、 陸口・・・51mm 港口・・・68mm 浜口・・・66mm です。 |
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A >陸口 陸口です。 床端までの高さは65mmです。 |
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B >港口 港口です。 床端までの高さは40mmです。 陸口との高低差は25mm。 陸口間の勾配は1000分の210。 陸口間の掘削距離は、約121.6mmです。 陸口−港口間を先に貫通させてから、浜口を掘削することにします。 |
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C >浜口 浜口です。 こちらの方が低く、床端までの高さは25mmです。 本坑分岐点との高低差は約25.7mm。 分岐点までの勾配は1000分の389。 分岐点までの距離は72.8mmです。 かなりの急勾配ですので床端は階段仕上げの予定です。 。 |
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D >陸口 それでは、掘ることにします。 |
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E <1日目/延時間2.0時間> >陸口(画像にマウスオンで>港口) 今回は電気ドリルを多用しています。 僅か2時間で、こんなに掘れました。 断面形状は旧国鉄型でトレースを入れましたが、気が変わって側端平行型にしました。 |
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F <2日目/延時間5.0時間> >陸口(画像にマウスオンで>港口) 陸口からは40mm掘進しました。 港口は床端30mm、天端40mm掘進しました。 両坑口からの掘進距離合計は80mmですから、先進部分で約3分の2掘れたことになります。 |
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G <3日目/延時間9.0時間> >陸口(画像にマウスオンで>港口) 陸口から58mm、港口から68mmの地点でノミ先端が貫通しました。 |
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H >陸口(画像にマウスオンで>港口) 貫通部分を電動ドリルで拡げたところです。 |
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I <4日目/延時間12.0時間> >陸口(画像にマウスオンで>港口) 何を遊んでるだっ・・・ って、 遊びです(^ω^) 貫通石にします。 |
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J >陸口(画像にマウスオンで>港口) ハイ、抜けました〜。 |
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K <4日目/延時間12.5時間> >陸口(画像にマウスオンで>港口) 貫通面を整形し、陸口⇔港口間の掘削は一旦終了。 |
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L <5日目/延時間13.0時間> >浜口 浜口を開始します。 |
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M >浜口 こちらも電気ドリル多用でガンガン掘って行きます。 |
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N <5日目/延時間17.0時間> >浜口 一気に掘削し、切羽中心までの掘進距離は51mm、貫通まであと5mm程の予定です。 |
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O >陸口方向から(画像にマウスオンで>港口方向から) 階段のイメージを見る為、下半分は階段状に切ってありますが、仕上時の勾配はもっと緩くなります。 |
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P
<5日目/延時間17.5時間> >浜口(画像にマウスオンで>陸口方向から) 電気ドリル、ワンショットで貫通。 |
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Q >陸口(画像にマウスオンで>貫通石) 陸口から見た貫通口です。 画像にマウスオンで電気ドリルが飛ばした貫通石画像に切り替わります。 |
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R <5日目/延時間18.0時間> >浜口(画像にマウスオンで>陸口方向から) 貫通口を拡げます。 階段を取り付ける関係で、先に天端を合わせるつもりです。 |
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S <6日目/延時間20.0時間> >浜口(画像にマウスオンで>陸口方向から) 天端を合わせ、床端もあと少しで陸口-港口坑道のレベルと揃います。 勾配に合わせて、階段の整形作業に入りました。 |
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21 <7日目/延時間23.0時間> >浜口(画像にマウスオンで>仰角) 掘削作業完了! 屋外で撮影しました。 |
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22 >陸口(画像にマウスオンで>港口) 陸口(|港口)から見た内部です。 |
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23 >陸口方向(画像にマウスオンで>港口方向) 斜めから見た画像です。 掘削はこれで終わりですが・・・ |
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外側を岩っぽくしてみました。 この外観はネット見つけたサイト、『旧道・廃道「廃報アーカイブ」』の記事、「国道278号 日浦トンネル旧道」を参考にさせて頂きました。 本物は、ここのリンクページに貼らせて頂きましたので、そちらから見て観て下さい。 |